恋の人、愛の人。


「…有り難う」

はぁ、なんとか、クリア出来たって事でいいのかな。


コース料理として頼んだ訳ではないから料理が運ばれて来て並べられた。

「全部一緒だと冷めてしまうが、何度も出入りされるのも落ち着かないと思ってね。
デザートだけは後からだ。
さあ、梨薫さん。好きだというエビチリも、どれもこれも遠慮しないで食べてください。食べないと帰しませんよ」

あ、ハハハ。そう言わないと食べないと思って言ってくれたんだろう。

部長が席を立った。どこか、お手洗いかな。

隣に来た。座った。…はい?

「隣に座ろう。正面だと食べ辛いのだろ?
ここに来てからもだが、一度もまともに顔を見てくれない。
それでは、食べる物も食べられないだろ」

「はい、あ、いえ、…はい…すみません」

部長がエビチリを取り分けてくれた。

「…はい、どうぞ。エビチリは美味しいよね。ここはね、メニューには無いんだ」

あ、そうだったんだ。…知らなかった。

「客の我が儘は聞いてくれる事になってるから、とんでもない物を言っても作ってくれるよ?んー、例えば、パスタとかもね?」

えー、そうなんだ。

「だが、客が付け上がる一方だな」

確かに。

「黒埼とは、つき合い始めたのか…」

「え?」

箸で掴んだエビが皿に落ちた。

どういう事…。
部長は何を知っているの。……あ、の、写真の、影響?…。
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