愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
「ま……待って。いきなりそんなこと」

「いきなりじゃないよ?君と結婚することは事実だし、二週間も準備してきたんだから。まあ、いいからいいから」

またしてもズルズルと引きずられるように、船内へと入っていく。

「勝手です。私のほうは、誰も知らないのに〜」

「大丈夫。明日にでも、君の実家に行くから」

「会社を休めません。移動だけで何時間もかかるのに、無理です。それにお父さんになんて言えばいいか、わからないし」

「自家用ヘリがあるから」

もう、めちゃくちゃだ。
私はどうなってしまうの?

手を引かれながらもう、不安しかない。

「瑠衣。自信を持って。君は大丈夫。ニコニコしているだけでいい。俺が守るから。ただ隣にいてくれるだけでいいから」

余裕のある笑みを浮かべて言う彼に、私は微かに頷いた。
だが、あまりの展開にうまく歩けない。
頭ではわかっていても、心が拒んでいる。

「あ……足がもつれて……」

今から月島グループの親戚中の人の前に立つなんて。
考えれば考えるほどに、怖くなる。
おそらく月島グループが持つ会社の、社長クラスの人ばかりだ。庶民の私が認められるはずなんてない。


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