愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
彼の甘い声と、とろけるような笑顔。
この視線が欲しくて、私は生まれ変わったのだ。

もっと綺麗になった私を見て。
そんな欲望が、心から溢れて流れ落ちる。

「参ったな……。君をパーティに誘ったことを、後悔しそうだよ。瑠衣を皆に見せることもね」


「どういう……意味?」

だがその直後、私から目を逸らし呟いた彼の言葉が、私の胸に刺さり、幸せな気持ちは泡のように一瞬で消えた。

やはり私は、プロの手を借りて変身しても、奏多さんには釣り合わないのだろうか。

婚約者として親戚の皆さんの前で私を紹介するのを、彼は恥ずかしいと思ったようだ。

「なに、その顔。そんなに不安そうにしないで」

彼はそう言って、俯く私の頬を両手で包んだ。
目を上げて彼を見る。
優しく私を見つめる瞳が目の前で揺らめいた。

「まさか誤解した?後悔しそうだと言ったのは、君を誰にも会わせたくないからじゃない。俺が瑠衣を独り占めしたいからだ。情けないけれど、子供じみた独占欲だよ」

「奏多さん」

たまらなくなって、私は彼の胸に飛び込んだ。

「わっ。危ない」

とっさに私の身体を抱きとめる腕。
私は彼の身体にしがみつく。
このまま離れたくない。ずっと一緒にいたい。
偽装結婚の夢から覚める日が、ずっと来なければいいのに。
思わず本気で、願ってしまう。

彼は私が欲しい言葉をくれる。
いつまでもこうして、あなたの腕に抱かれていたい。




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