愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
天井からぶら下がる、キラキラと光る大きなシャンデリアが、まず目に飛び込んできた。
私たちが開けた扉は、吹き抜けの二階部分につながるものだったようだ。
赤を基調とした大きな花が描かれた、豪華な絨毯が足元に広がっている。
眼下を見下ろすと、目の前に広がる大きな階段の先の一階部分に、大勢の人がいてこちらを見上げていた。
「こっ……これは」
私を品定めするような、人々の厳しい視線が全身に突き刺さるようだ。
奏多さんは、私の耳元に口を当てるように身体を屈めると、小声で言った。
「君は今、俺の婚約者としてここに立っている。俺に愛されているのは自分だけだと思って。俺が君じゃなくてはならないと、君を必死で口説いたのだと」
彼を見ると、彼は私の頬に軽くキスをした。
「きゃ……」
「驚いた顔をしちゃダメだ。堂々として。笑って」
一瞬、顔が引きつったが、もう一度気を取り直して、私は人々のほうを見た。
知った顔などはない。
だけど誰もが、私の存在を歓迎していないことはわかる。