1日10分、俺とハグをしよう


「そうだ、バイト先でね、新作のケーキが出るんだって!」


今度食べに来なよっ、て、これも無反応か….




もう、どうして急に?

何か嫌なことでもしちゃったかな。



そんなことを思いながら着いた駅で降りる



家どこ?って聞いてくる志摩くんに道を教えて、

それから私はまた口を開いた




「ねぇ、志摩くんは趣味とかないの?」


「…」


「私は映画見るのが好きなんだぁ…」




サーっ、と雨の音が静かな住宅街に響く

志摩くんは、急に足を止めた


びっくりして隣を見上げると、じっと私のことを見てるわけで。





「…それ、なに?」


「え…と、それって?」




何言ってるの?って笑って見せる


そうしたら志摩くんは、眉を寄せた


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