1日10分、俺とハグをしよう


「っ、志摩くん…?」




優しく抱きしめられてるってことに気がついたのは、

志摩くんの匂いがふわっと香ってから。




「…俺の前では泣けばいーじゃん。」




今だったら早乙女さんの顔見えないし。


なんて、そう続ける




相変わらず優しくて、心配性で、…まるで泉みたいだ。


違うところといったら、優しく抱きしめてるところぐらい。



泉は力強くギュッてしてくるから…




「…っ」




雨が降ってくる

冷たい雫が頬を流れた



ゆっくりと志摩くんの背中に腕を回す





「…早乙女さん?」





それから、


小さな志摩くんの声にハッと我に帰った





「(わ、私何して…っ!?)」


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