狂愛社長に溺愛されてます
「これでいいんだ……これで……」



わかっているのに、どんどん浮かんでくる楓の顔。



「一目惚れだったんだ」



これは嘘じゃなかった。
入社式でみた楓に目が釘付けになったのは嘘じゃない。

その後、たまたま楓の部署の前を通りかかった俺は風詩と一緒にいる所を見かけた。



「あれを見てなけりゃこんなことには……」



風詩が楓を好きなことも、楓が風詩を好きなこともすぐにわかった。
その瞬間、俺の何かが崩れた気がした。


──……また奪われる。

そう瞬時に思った。

母親だけじゃない、あの子までも風詩に奪われると思った。
そう思ったら、風詩から楓を奪うことしか頭にはなかった。



「……でも」



もう1ヶ月はいつも社長室に行けば楓がいた。
執拗に追いかけていれば俺のものになる自信があった。
その通りになった。


でも、俺はどうしてもそれを風詩に知って欲しかった。
復讐をやめられなかったんだ。

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