愛しのエマ【完】


数日後の昼休み。

「奈緒ちゃん。ランチ行かない?」
長財布持った先輩に誘われる私。

「すいません。お弁当持ってきちゃった」

「毎日偉いね。来週行こうね」

「いいですね」

「じゃ来週の水曜日に」

「はい」

先輩たちを見送って
頭の中でランチ代の計算。

どこのランチだろう
最近みんながお気に入りのイタリアンかな。あそこは1500円で飲み物付か……1500円……高い。それだけあればスーパーイリノヤで大量買いできる。けど、会社のお付き合いは全部断れない。人づきあいが悪いヤツってコソコソ陰口叩かれたくない。来週の水曜日までもう少し節約しよう。

社員の人達のお昼は
外に食べに行くか
社食で食べるかに別れる。

社食で自分のお弁当を食べるのもありなので、愛妻弁当を持って来る社員もいる。

でも私はお弁当箱を持って
会社の図書室に入り込む。

会長が本が好きで
うちの会社には珍しいけど図書室がある。

中会議室ぐらいの大きさの部屋
色んな本がズラリと並び
そこで昼休みを使って読書ができる場所。

私はそこでお弁当を食べる。
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