愛しのエマ【完】
でもこんなにもらえない。
私は制服の下に着る
ブラウスを3枚買ってもらった。
本当は『1枚でいい』と言ったけど
『月曜から金曜まで5枚買う』そう言い張る副社長と軽くバトルをし、互いに譲らず店長さんが妥協案の3枚と提案してくれた。
不満顔の副社長。
「奈緒さんのガンコ」
「副社長のガンコ」
「奈緒さんのスットコドッコイ」
「日本語が変です」
そんな会話をしながら
ふたりで大爆笑。
副社長の笑顔は最高に優しくて
こっちまで
もっと笑顔になってしまう。
その後はカフェに入って
色々な話をすると時間の経過が早い。
エスプレッソを飲み終わったら
丁度6時。
「副社長。そろそろ帰るお時間です」
「帰りたくない」
すねたようにそう言って
手を伸ばし
カップを触る私の手を握る。
温かい大きな手。
「奈緒さんとずっといたい」
涙が出るほど嬉しい言葉だけれど
それはきっと
私じゃなくて
私の中にエマさんを求めている。