愛しのエマ【完】
身体の力が抜けて
ソファに崩れる私。
完璧にカン違いしていた私を見て
副社長は楽しそうに
エマさんを抱きながら隣に座る。
「一緒に寝てるって」
「寝てますよ」
「私に似てますか?」
「つぶらな丸い目がそっくり。あとふん…ふ……ふい……ふきい……」
「雰囲気ですね」
「それそれ」
そうなのか?
ジッとエマさんを見つめたら
ペロッと舐められた。
「エマも奈緒さんを気に入りましたか。嬉しいな」
エマさんが犬だったなんて
まだ信じられない。
「マイクロチップも狂犬病の注射もしてたんですけど、手続きが思ったより大変で。時間をかけないと空港でストップされて6ヶ月足止めされますから、慎重にしないといけなくて」
「はぁ」
「奈緒さん?」
「はい」
「もういい?納得できた?」
「たぶん」
「たぶんって」
抱いてるエマさんをソファに置き
副社長は私を抱きしめた。