アウト*サイダー
「あー、もう! 何の話してたか忘れちゃったじゃん! それにまだお弁当食べ終わってないし」
ケイの笑顔を見れてホッとした。イライラも全く感じない。実のところケイよりも子供っぽいのは私なのだろう。
トートバッグの中で転がっていたお弁当を開けてみると、予想通りにごちゃ混ぜで隣から「うわ、すごいことになってる」なんて他人事のように言われた。
「ケイのせいなんだからね」
効かないだろうけど嫌味を言ってみる。
「んー? あ、ポテトサラダ、もーらい!」
私から箸を奪って、更にポテトサラダまで強奪していった。
リョウスケにはお母さんが作ったものをあげたけど、これは自分で作ったやつだから、美味しいかどうか分からない。
美味しくないって言えば容赦なく制裁を下してあげるが、気を遣われるのはやだな。
……別に、ケイのために作ったんじゃないからどう思われようが関係ないけれど。