アウト*サイダー
ケイとこんな風に言い合いたくない。また避けられたりしたら嫌だ。でも、分からないんだもの。
「ああ、ハスミにとっては“そんなこと”だろうね。どうせ、俺のことなんてどうでもいいんだ」
ケイの気持ちとか、感情とか、大事なものが。
「お、おい……やめようぜ? ふ、二人とも、怖い顔して……」
リョウスケには本当に申し訳ない。彼みたいに誰かの気持ちを器用に汲み取って、平和的に解決が出来ればいいのに。
「ケイがいじける度に私達がへこへこ頭下げてご機嫌取りしなきゃならない? それって変でしょ?」
リョウスケを見れば、言葉を詰まらせて困り顔。
「ケイも、変な風に捉えず誤解しないで? どうでもいいなんか思ってないんだから」
まだ不満気なケイは、私に目を向けようとせず、廊下の壁に背中をもたれさせて距離を取る。
この異様な雰囲気を感じ取った生徒達が、私達を遠巻きに見ている。誰も近付こうとする人なんか居ない……と、思った矢先だった。
「お! こんな所にいたか、リョウスケ!!」