シンシアリー
ユーグから睨まれたヘルメースは、凄まじいほどの威圧感にすぐさま怯み、「う」と唸りながら一歩下がった。
「容赦無く敵を斬る覚悟は、すでに出来てますよ」
「・・・フンッ。今日のところはこれで引き上げてやる。興が覚めたからなっ」
負け惜しみを抜かしたヘルメースは、すごすごと退散するしかなかった―――。
ヘルメースの姿が見えなくなったのを確認したユーグは、「では我々も参りましょうか」と言いながら立ち上がった。
それまでずっと、屈強な体で抱きとめていたレティシアを横抱きにしながら・・・なのは、護衛騎士として当然のことである。
まだ体に力がないレティシアは、それが自然であるかのように、ユーグにその身を委ねていた。
「容赦無く敵を斬る覚悟は、すでに出来てますよ」
「・・・フンッ。今日のところはこれで引き上げてやる。興が覚めたからなっ」
負け惜しみを抜かしたヘルメースは、すごすごと退散するしかなかった―――。
ヘルメースの姿が見えなくなったのを確認したユーグは、「では我々も参りましょうか」と言いながら立ち上がった。
それまでずっと、屈強な体で抱きとめていたレティシアを横抱きにしながら・・・なのは、護衛騎士として当然のことである。
まだ体に力がないレティシアは、それが自然であるかのように、ユーグにその身を委ねていた。