ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
(嬉しさを測るセンサー、か…)

考えてみれば、一体何を尺度に嬉しさが測れるんだろう。

「…ないですよね、そんなセンサー」

思わず溜息。

(そんなに上手くはいかないか…)

考えが甘いなぁと思いながら所長に目を遣った。

「…」

と、遠くベランダの外を見つめたままじっと考え込んでいる所長。

「?」

タバコを挟んだ指を口元にあてがったまま固まって、ピクリとも動こうとしない。

「所長?」

横から覗き込むように問い掛けると、所長の口がフッと動いた。

「そうだよ…」

と所長が呟くと同時にタバコの灰がポロリと落ちた。が、それでも所長はじっと動かなかった。

「どうしたんですか?」

と問い掛けてしばらく間があった後、所長がパッとニヤけた笑顔で振り向いてきた。

「見つけたかもしれないよ」

「え?」

「感じるココロを生み出すヒントを!」

と所長。

「ホントですか!」

聞き返すと、所長が肩をバンッと叩いてきた。

「ウン!感じるココロを実現する、大事なヒントになるよ!」

まさか!ホントにそんなのが見つかるなんて!

「で、一体何なんですかそれは」

と詰め寄ると、所長がニヤーッと笑顔で返してきた。
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