ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「あの所長、その前にお昼にしませんか、みんなで」

と手を上げて提案するメガネの本田君。

「それならモールの中華飯店がいいわよ。今ならランチコースが5名様で10%オフになるわ」

とクワンが所長の腕を取った。

「いいね。ちょうど5人居るし、そうしようか」

と所長が振り返ってきた。ん?ちょっと待って下さいよ?

(5人って、所長とクワンと本田君と僕と、ミライ?)

まさかミライも連れて行くんですかっ?

「いや所長、だってミライって食べられないんでしょう?」

なのにそんなトコに連れて行ったらバレるじゃないですか!

「大丈夫、気にすることはないよ。ミライの分はみんなで食べればいいんだからさ」

と軽く返してくる所長。

「いやあの、」

そういう事を言ってるんじゃないんですけど。

「だからさ、5人で一つのテーブル囲んでれば、一人ぐらい食べてなくたってわからないって」

と手を振ってみせる所長。あ、なるほど。

(一つのテーブルを僕らで囲んでれば大丈夫ってコトか。…だけど、)

今はそれで問題ないけど、これから先、大学に出て行って、もし学生たちと食事をしようとなったら、さすがにそういう訳にはいかないよな。

(ゴマかし切れないよ)

となると、一緒に食事を取るような場面はずっと避け続けなければイケナイんだ。

(一緒に食べられないのか…)

これは気を遣う問題になりそうだゾ。
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