ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「そうするよ」

台の上に上がって、ミライの横に少し照れながら立った。と、ミライがスッと寄り添ってきて嬉しげに見上げてきた。

「うれしい」

目の前すぐで見つめる、ニッコリと微笑むミライの笑顔。

「ミライ…」

パールホワイトのドレスがキラキラと眩しく輝いて見える。

(綺麗だ)

スッと顔を寄せて見つめた。ドレスのキラめきにも負けないミライの笑顔が、すぐ目の前にある。

「えー、ではまず初めに、管理者変更の儀を執り行います。では本田君、前へ」

と所長の声に、本田君が台に上がってきてミライの瞳を見つめた。

「セーフモードで再起動」

「はい、セーフモードで再起動ですね」

「YES」

と、フッと動かなくなったミライに本田君が続けた。

「管理者変更」

「はい、管理者変更ですね」

「YES」

「新しい管理者の虹彩登録に入ります。どうぞ」

と本田君がスッと一歩下がって、微笑みながらこっちを振り向いた。
< 318 / 324 >

この作品をシェア

pagetop