ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「さぁ~て、」

と所長が僕の目を覗き込むようにニッと微笑んでから、三人を振り返った。

「みんなで中華を食べに行こう!」

と所長の言葉に、本田君とクワンが頷いて返した。

「久しぶりに楽しい食事になりそうですね」

「あとショッピングもね。要る物がたくさんあるの。ミライの服も下着も足りないし、化粧品だって欲しいところよ」

と自分の頬をポンポンと化粧をするように叩いて見せるクワン。

(化粧?)

化粧もするのかミライは。

「そうだね。よぉし、じゃあさっそく出掛けようか!」

と明るく声を上げた所長の車に乗り込んで、ちょっと緊張の出発だ。



 郊外にあるショッピングモール。中華料理店でテーブルを囲んだ後、人込みに溢れたフロアーを歩き回って買い物をしてプリクラを撮って、日が暮れるまで無事、色々と時間を過ごした。

「いやー、久しぶりにワイワイ楽しんだって感じだね」

と振り返りながらモールのフロアーを先頭を切って歩いていく所長。

「ホント」

学生時代に戻った気分。

「ミライの動作確認だって事すっかり忘れてました」

「私はちゃんとミライの事を考えて、着る物を色々見繕ってあげてたわよ」

とクワンが、持っていた紙袋のいくつかをミライに手渡した。

「自分のブンを忘れないところはさすがだな」

と本田君の声にハハハと笑う所長。鋭いツッコミだね。
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