ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
(やっぱり引き受けるんじゃなかった)

軽い調子で返事をさせられた割には、背負わされた責任が大き過ぎないか?

(勘弁してくれよ~)

見上げる真っ白い天井。丸い照明。音のない部屋。キッチンの横の、引き戸が開いたままの洗面室から、服を脱ぐミライの気配だけが伝わってくる。

(勘弁してくれよ…)

ロボット相手に欲情する気はないけど、静まり返った部屋の中に服を脱ぐ音が手に取るように聞こえてくるのが艶めかしい。

(半端なんだよ、こういうところの女の子っぽさが)

せめてもっとオチャメに、『あーんブラの外し方わかんなーい♪』とか、『覗いたらタイホしちゃうぞぉ☆』とか言ってくれたら、もっとグッと愛らしく思えるかもしれないってのに…。

(ってオイオイ、何考えてるんだよ、相手はロボットだゾ)

と頭を振ったその時、浴室の扉を閉める音が聞こえて、続けてシャワーの水音がサーッと響いてきた。

(ムムム…)

シャワーを浴びる裸のミライの姿が脳裏に浮かんでくる。

(いやいや、ロボットだぞ、ロボット…)

わかっていても頭の中で妄想が膨らんでいく。キュッと細く締まった足首、キレイなラインの脚、プルンッと張りのあるお尻、くびれた腰、たわわに揺れる胸、立ち込める湯気の中で正面からシャワーを浴びる顎を上げた顔、つややかな唇、弾いた水滴が滴り流れるなめらかな肌…。

(オーッ、どうしてくれるんだよこのモヤモヤを!)

シャワーの音が響く部屋の中で、幾度となく首を振るハメになってしまったじゃないか。
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