ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「声が聞こえる。隣から」
とミライが、隣の控え室に続くドアを指でちょこんと指差した。
「隣から?」
答えてドアに歩み寄って、ノックをしてメッキの剥げかかったドアノブを掴み、一歩踏み込みながら大きく開け放った。普段は研究生たちが使っている散らかった机と書棚が並ぶその部屋に、教授と、なぜか所長が並んで座っていた。
「しょ、所長?」
何でここに?
「おはよう!」
と椅子に腰掛けたまま明るい声で返してくる所長。
「所長、どうしてここに!」
傍に寄って問い質すと、所長がニヤーリと笑みを返してきた。
「いやぁな~に、教授がミライの目の映像を見たいって事で持って来たんだよ。DVDにしてね」
とDVDのケースを手に取って見せる所長。
「ミライの目の映像を…」
なるほど、ミライの傍に居なくても、ミライの目に映った映像をこうやって見れるのか。僕の一挙手一投足も含めて全て。
「…そうやって僕の反応を見て楽しむワケですか?」
と訝しげな目線を送ると、教授が口元をフッと緩めてみせた。
「楽しむという言い方は止してくれないか。こんな形の行動観察の資料は今までにない。研究者としてこれを見ない手は無いだろう?」
と口元を緩める教授。そりゃまあ確かにそうだとは思いますけど。
「これから先も、ミライが見た映像は全て録画される訳ですか」
やりづらいなあ、覗き見られてるみたいで。と所長が頷いて返してきた。
「ウン、今のところはね。もう暫くしたら、ミライが覚えたい事を選択して保存するプログラムに替えてみるつもりさ」
と微笑む所長。それならだいぶん気持ちが楽になりますけど。
とミライが、隣の控え室に続くドアを指でちょこんと指差した。
「隣から?」
答えてドアに歩み寄って、ノックをしてメッキの剥げかかったドアノブを掴み、一歩踏み込みながら大きく開け放った。普段は研究生たちが使っている散らかった机と書棚が並ぶその部屋に、教授と、なぜか所長が並んで座っていた。
「しょ、所長?」
何でここに?
「おはよう!」
と椅子に腰掛けたまま明るい声で返してくる所長。
「所長、どうしてここに!」
傍に寄って問い質すと、所長がニヤーリと笑みを返してきた。
「いやぁな~に、教授がミライの目の映像を見たいって事で持って来たんだよ。DVDにしてね」
とDVDのケースを手に取って見せる所長。
「ミライの目の映像を…」
なるほど、ミライの傍に居なくても、ミライの目に映った映像をこうやって見れるのか。僕の一挙手一投足も含めて全て。
「…そうやって僕の反応を見て楽しむワケですか?」
と訝しげな目線を送ると、教授が口元をフッと緩めてみせた。
「楽しむという言い方は止してくれないか。こんな形の行動観察の資料は今までにない。研究者としてこれを見ない手は無いだろう?」
と口元を緩める教授。そりゃまあ確かにそうだとは思いますけど。
「これから先も、ミライが見た映像は全て録画される訳ですか」
やりづらいなあ、覗き見られてるみたいで。と所長が頷いて返してきた。
「ウン、今のところはね。もう暫くしたら、ミライが覚えたい事を選択して保存するプログラムに替えてみるつもりさ」
と微笑む所長。それならだいぶん気持ちが楽になりますけど。