ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「そうか。それを聞いて安心した。よろしく頼むよミライ君」

とミライを見上げる教授。と広海君がミライの前に歩み寄って、一旦上から下まで眺めた後、広海君に負けず劣らずの大きな胸をじっと見つめた。

「へぇ~、ミライさんって言うのね。ねぇ、いくつなの?」

と尋ねる広海君。えっ、いくつかだって?

「?」

と右手を胸の前でキュッと握って小首を傾げるミライ。

「年を聞いてるのよ。何歳なの?」

と広海君が聞き返した。なんだそっちか。と、じっと固まって答えないミライ。

(…あっ、)

そりゃそうだ。

(ロボットに年齢があるワケないよ)

正確に言えば1歳未満という事になるんだろうけど、そう答えるのはさすがにマズイし。ここは助け舟を出しておかないと。

「えーっと、広海君の一つ上さ。今年で25才になるのかな」

という事にしておこう、無難に。

「あ、じゃあ先輩なんだ。よろしくお願いしますミライさん」

と微笑む広海君に、「ええ」と素直に笑みを返すミライ。

「ねぇミライさん、上の名前は?名字は何て言うの?」

と、聞かれたミライがまたじっと固まってしまった。

(んっ、決めてなかったっけ?)

そういや所長に言われるままミライとだけ名付けて終わってた。

(シマッタな、どうする…)

って、そんなのとっさに思いつくワケが無い。と、教授が一つ咳払いをして口を開いた。
< 54 / 324 >

この作品をシェア

pagetop