ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「これを問題にして答えを当てられる人間は居ないだろうな。今度共同研究をする事になった研究所の所長の姪御で、栗栖というんだよ、ミライ君は」

あ、そんな設定でしたっけ?

「そうそう、栗栖だよ。栗栖ミライ。ね」

と呼び掛けながら、ミライに目で促した。

「うん」

と一瞬間を置いて頷くミライ。

(どうなんだろ…)

これでなんとか取り繕えたのかな?

「ふ~ん…」

と広海君が顎を上げて見下ろすようにミライを見て、続けた。

「なんだかミライさん、言葉がわかってないみたいな雰囲気ね」

ドキッ。

「ひょっとして、」

と広海君がミライを一度見た後、ジロッと僕を見た。ウッ、いきなり見抜いたのか?

「帰国子女なの?ミライさんって」

と広海君。なんだ、バレた訳じゃなかったんだ。とホッとすると同時に閃いた。

(そうか帰国子女か。なるほど)

それってイイ設定かもしれないゾ。

(でも、どこの国から帰って来たか聞かれたら答えに困るな)

とよくよく考えて返事に躊躇していると、横から教授が口を挟んできた。

「その通りだ。ミライ君は帰国して間もないんだよ」

って、答えちゃったよこの教授はっ!

(ツッ込まれたらどうするんですか!困るのは僕なんですよ!)

僕の慌て振りを見て楽しむつもりですか教授っ。
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