ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「へぇ~、帰国したばかりなんだぁ。スゴ~イ。憧れちゃう」

とフフッと笑って首を竦めてみせる広海君。

(…う~ん、帰国子女のシナリオを考えとかないとマズイな)

またまた面倒事が一つ増えてしまったじゃないですか。

「エヘッ、ねーえセンセ」

と広海君が、無気味な笑みをこぼして声を掛けてきた。

「な、なんだよ、変な笑い方して」

悪魔の微笑みにしか見えないよ。

「せっかくだからぁ、みんなで何か食べに行きませんかぁ?」

「ええっ!」

いきなりかよっ!ミライは食べられないだ、そんな事したら一発でアウトだ!

「勘弁しろよぉ」

思いっきりイヤな顔をして首を振って返した。

「え~、別におごってなんて言ってないし~。それとも私と食べるのがイヤなんですかぁ、先生ぇ」

と眉を顰めて負けずに鋭い目付きで睨んでくる広海君。

「いやいや、そういう訳じゃなくてさ」

慌てて首を振って返すと、すかさず広海君が肘をグッと掴んで身を寄せてきた。

「じゃあいいでしょ先生、ねぇ」

と口を尖らせてくる広海君。これは簡単には諦めないパターン。
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