ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「まさか、週末はどこにも出掛けないなんて思ってないよね?」

ギクッ。

(どうしてわかったんです?)

ドギマギしていると所長が眉を顰めて口を開いた。

「ダメだよぉ、部屋になんか篭もってないで街中へ出掛けてくれないと。じゃないとミライの耐久試験にならないんだからさ」

と肩を揺すってくる所長。確かに、部屋でじっとしていてもミライの経験値は増えそうにない。

「この試験が上手くいくかどうかは、君に懸かってるんだ。しっかり頼むよ。じゃあまたタンク補充しに来るからさ。じゃあねミライ」

と替えたタンクを抱えた所長が、笑顔を残して帰っていった。

(…そうだよな、ロボットと一緒に部屋に篭もるってのも、確かに考え物だよな)

不健康極まりないし。

「じゃあミライ、さっそく明日一緒に、街に出掛けようか」

「うん」

と頷いてくるミライ。

「どこか行きたい所はあるかい?」

尋ねると、ミライが小首を傾げてきた。

「…ンー、わからない」

答えは前と同じだけど、言い方がちょっと可愛らしくなった。

「じゃあとりあえず、駅前でショッピングかな」

「うん」

笑顔は相変わらず可愛らしい。そんなミライと一緒に、次の日駅前へと出掛ける事になった。
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