ふたりの彼女と、この出来事。(旧版)
「何だい?」

と所長の声と同時に、画面には帽子にサングラスの男が!

「え???」

ま、まさか、今電柱の影でケータイを手にした男は所長ぉ?

「どうしたんだい、何かあったのかい?」

って、やけに心配げな声は所長にマチガイないっ。

「所長っ!どうしたんだじゃないですよ!そんな所で一体何やってるんですかっ!」

とクッと画面を睨み返した。

「あ、いや、ちょっと心配だったんだよ、どうしてるかなーって。だからついて来ちゃった」

って、そんな子供っぽい言い方…。思わずフーッと溜息が出た。

「所長!だからって変装してまでやるコトじゃないでしょうっ!こっちの身にもなって下さいよ!」

マッタク、何考えてるんですか。

「いやいやゴメンゴメン。驚かしたみたいだね。ウンウン、二人でうまくやってるみたいで安心したよ。それじゃ、もう帰るからさ、じゃあね」

と、画面がプツンと真っ黒になって電話が切れた。

(何なんですかもう、ビックリさせないで下さいよぉ~)

尾行者が所長で、とりあえずは一安心だけど。

「もう聞こえなくなった。足音」

と遠く後ろの方を見つめながら呟くミライ。

(やれやれ…)

携帯を収めながら大きく溜息。

(頼むからヤメて下さいよ)

警察に御用かも、って鼓動の高鳴りは、さすがにすぐには収まらなかった。こんな事はもうコリゴリですよ所長ぉ。
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