探偵喫茶へようこそ


「……変か?」



海は特に変だとは思わなかった。



「ああ、変だ。あと言いにくい」


「それは確かに」


「話がそれたな。確証は得たし、海はこれを一弥たちに話しておいてくれ」



自分でそらしただろ、というツッコミは心の中でした。


暇を潰す用件が出来たからだ。



「お前は?」


「正広に頼んで『ひろかず』を潰す」


「……物騒な言い方するなよ」



知由の気持ちはわかるが、どう考えても少女が使う言葉ではなかった。



「では……あたしを利用しようとしたことを後悔させてやる」


「徹底的にやれよ? ちゃんと伝えとくから」



楽しむことが似ているからか、海は口角を上げて言った。


当然、と言わんばかりに知由も笑みを浮かべる。



「ちぃちゃん、僕も行こうか?」



すると、手が空いたのか、雪兎が躊躇いがちに言いに来た。



「ウサギが抜けたら料理が出せないではないか。今回はタダ働きな分、こっちで稼いでもらわなければ」


「でも危険でしょ……?」

< 112 / 156 >

この作品をシェア

pagetop