探偵喫茶へようこそ
それからさらに二ヶ月後。
洋一はまた、汗をかいて家に戻った。
「洋一くん……!」
家に入った瞬間、夢里が泣きながら抱きついてきた。
「知由は!?」
洋一が急いで帰ってきた理由。
それは、夢里から知由がいなくなった、と連絡がきたからだった。
「お母さんが……お母さんがね……」
だが、夢里は泣きじゃくっているせいで、上手く説明出来なかった。
洋一自身も慌てて混乱していたが、夢里の取り乱しようを見て、自分がしっかりしなければ、と思った。
「夢里、落ち着いて。何があった?」
洋一に優しく聞かれ、夢里はまず深呼吸をした。
「いつものように、知由を保育園に迎えに行ったの。そしたら、先生にお母さんが迎えに来たって……でも、帰っても知由はいなくて、お母さんしかいなかった」
「え……?」
洋一は理解が追いつかなかった。
そして、夢里がとどめを刺す。
「お母さんが、知由を施設に預けたの……!」
洋一は動揺が隠しきれなかった。