夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
【小さな島】

「やっぱり。
ここに居たんですね、ユイさん」

リディア母さんのお墓の前で屈んでいる私に、声を掛けてくれたのはレイさん。
チラッとその姿を横目で確認すると、すぐさま目を逸らして俯いた。

少し前までの自分と同じ紺色の制服を着ているレイさんは、今の私には痛く突き刺さる。


「……帰って下さい」

これ以上、見たくなかった。

彼が嫌いな訳ではない。
その制服を着たレイさんを見ていると、嫌でも思い出してしまうからだ。

弱い自分に負けて、調査員の仕事を投げ出して、逃げてきた自分を……。


そう。
謹慎処分を受けた私は、あれからずっと自宅に引きこもっていた。

何とか、変わりたいと願って一人で考えていた。

ーーけれど、何も変わらなかった。
< 249 / 322 >

この作品をシェア

pagetop