夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
ーーけど。
自分が幼い日に憧れた、勇者様とお姫様の幸せを願い、戦い抜いた女戦士にも……。
私は、なれない。
「……私には、無理だったんです。
リディア母さんのようにも、ヴァロンさんのようにも……。私は、なれないっ」
たくさんの人の夢を叶え続けた、立派な両親。
私に美しい心を持ち、可愛い女の子になってほしいと願って、命をかけて産んでくれた強い母。
突然現れた私の存在を受け入れて、優しく「ありがとう」と包んでくれた、広くて晴れ渡る空のように澄んだ心を持った父。
あまりにも自分とは違い過ぎる眩しい存在は、今の私にはどんなに手を伸ばしても掴めない”夢”そのものだった。
追いかけても追いかけても、いつもその夢との距離は縮まる事はない。
「アカリさんは諦めないそうですよ!」
墓の前から立ち上がり、去ろうと背を向けた私にレイさんが言った。