赤い華
明らかにおかしかった。私が何を言っても、ベットに腰を下ろす私に背を向けたまま、口を開けなかったのだ。
『お………兄ちゃん。』
「…………。」
雷が鳴ったのとほぼ同じくらいの時にお兄ちゃんはようやく口を開いた。
「服、脱げ。」
『えっ?』
戸惑う私にお兄ちゃんは苛立ち勢いよく私を押し倒した。
中学2年生だった私でもこのあとどうなるのかが分かった。
『やめてよ、やだ、お兄ちゃん!』
どんなにさけんでも誰も助けてはくれないし、私の力では到底抵抗もできなかった。