闇にのまれた光
少しだけ開いた心
そうか。私は仲間が欲しかったのか。
『…ずっと1人だったから何も分からない。仲間の大切さも、感情の大切さも、人間の価値も。』

何も分からない。

愛情だって…貰えなかった。
歩「月羽…っ」
私は、抱きしめられていた。
歩と、美代によって。

美代「辛かったんだよねぇ…?苦しかったんだよねぇっ…もう大丈夫だからねぇ…っ!」

歩「信じてよ…そんな苦しそうな顔しないで…」

『…あ…ゆむ…みよ…?』

何をされているんだ。
なぁ…なぁっ!!!!
殺せよ…!!
こいつらは私に支障をきたすんだっこいつらはいらないっ!!必要ないっ


……そう分かっているのに……
体が動かないっ
美代「泣いていいんだよぉ…?」

…こいつらになら…私は…
『う…ぁぁぁぁぁっ…!!!!』
どうしてか涙が溢れて止まらなかった。

感情とは別に、なにかかこみ上げる感覚。

……私は…この言葉を待っていたのかもしれない。

信じられる仲間が欲しかったのかもしれない。


私が泣きやむまで2人はずっと離さないでいてくれた。

『…ありがとう。』
美代「何でも話してくれていいんだからねぇっ!」
歩「何かあったら駆けつけるから。」

『お互い様だ。』
歩「あっそうだ。明日は魔獣召喚らしいよ?月羽は魔力いくらなの?」

『…魔力か…』
完全に引かれてしまうかもしれない。
美代「ほらほらぁっ遠慮しないでぇ!」

『…分からない。』
歩「?測ってないの?」
『いや、違う。魔力測定器がオーバーヒートしてしまった。今わかっている段階では、5千万。』

美代「すっっっごぉぉぉぉぉい!!!いいなぁいいなぁ!ずーるーい!」

…は?
歩「魔力測定器がオーバーヒートって凄いねー!!憧れるな~。…でも、そこまで魔力は感じないよ?只者じゃないのは分かるけど…」

『無石で力を制御してるんだ。23個つけている。』
美代「うぇぇっ無石って一つつけただけでもう魔法が使えなくなるって…やつ?」

『あぁ。無石である程度は魔力をコントロール出来たが、無限に魔力はあるようでな。対応が難しい。』

歩「む、無限って!じゃあパートナーはどれだけ強いやつが出てくるの…?」

『さぁな。』
パートナー召喚をする時、無理矢理魔力全てが持っていかれるため、小細工はできない。

基本パートナーは1人だけ。
どれだけ魔力が多いかによって制御される。

天級
神級
聖級
進級
努級
地級

下に行くほど階級が低くなり、パートナーが暴走しやすくなる。

美代「じゃあ今日は早く寝ないとぉ!」
『あぁ、そうだな。』
歩「おやすみ。」
『いい夢を。』
美代「おやすみぃ!また明日こっち来るねぇ!」

『あぁ。』

寝るか。
帰った途端疲労が重なった。
さて…明日はどんなハプニングが起こるかな…?

ニヤリ…不気味に笑いながら暗い寝室へと足を運び髪や目を元に戻さないまま眠りについた。
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