失恋の傷には媚薬を


疲れたー、と
ソファに寝っ転がる

静かな部屋の中
本来なら家主の達彦がいるはずなのに…
時計を見ると、19時が過ぎようとしている


『え?もうこんな時間?夕方には帰るって言ったのに!どこに行ったのよー』



もう、と頭にあるクッションへと手を伸ばし
壁へと叩きつけようとした



痛っ、



クッションを握り締めた時
何かを一緒に握ってしまったようだ
手のひらを見ると
血がにじみ出てきているが
手の中には何もない


なんだろう、と
クッションを確認してみると
何かが刺さっているのが見えた



『…これって、』



見覚えがあった
見間違いとか、
同じものとか
頭の中で何度も考えたが
答えは変わらない

私はコレを知っている

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