Marriage Knot

「でもさ、そんなに難しい棒針編みのセーターを編める副社長は、すっごいよね!!」

スマホのディスプレイから目を上げた茉祐の目がキラキラしている。私はどきっとした。

「ま、まあ確かに……」

「副社長ってさ、オートクチュールが大好きなんだって。それで、自分でお気に入りのニットを編むって、やっぱり才能がある人はすごいわ~」

私は下を向いて黙々とオーダーを受けた「商品」であるかぎ針編みのニットタイを編み始めたが、茉祐は全く気に留めないで、ニット好き、そして英国通で有名な結瀬(ゆせ)副社長について語りだす。
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