ブーケ・リハーサル
「そうだね。由梨ちゃんなら、こっちの色のほうが似合いそうだけど」
「そうかな」
ギクシャクしている私に対して、副社長は当たり前のようにしている。経営者って、こういう度胸も必要なんだなと思った。
「お客様、いかがでしょうか」
店員さんがおしゃれなデザインのパイプハンガーラックに五着のドレスを掛けた。その下には靴も三足用意されていた。
副社長はドレスを一枚一枚じっくり見たあと、ピンクベージュのドレスを私の体に当てた。
「これ、いいんじゃない。来てみなよ」
ドレスを持ってフィッティングルームに入った。こんな色のドレス初めて着るな。似合うのだろうか。
着替えを終え、ドアを開けると、ベージュのハイヒールが置いてあった。それを履き、店内を見ている副社長を呼んだ。
「浩紀さん」
副社長が振り向いた。目を少し見開いてから微笑む。その表情を見てくすぐったい気持ちになった。
「すごく似合ってる。かわいいよ」
「本当?」
「うん」
「こういう色初めて着るから、ちょっと慣れなくて」
「いいよ、すごく。実はもう一着気になっているのがあるんだ。それも着てみて」
そう言って副社長が渡してきたのはワインレッドのドレスだった。
「そうかな」
ギクシャクしている私に対して、副社長は当たり前のようにしている。経営者って、こういう度胸も必要なんだなと思った。
「お客様、いかがでしょうか」
店員さんがおしゃれなデザインのパイプハンガーラックに五着のドレスを掛けた。その下には靴も三足用意されていた。
副社長はドレスを一枚一枚じっくり見たあと、ピンクベージュのドレスを私の体に当てた。
「これ、いいんじゃない。来てみなよ」
ドレスを持ってフィッティングルームに入った。こんな色のドレス初めて着るな。似合うのだろうか。
着替えを終え、ドアを開けると、ベージュのハイヒールが置いてあった。それを履き、店内を見ている副社長を呼んだ。
「浩紀さん」
副社長が振り向いた。目を少し見開いてから微笑む。その表情を見てくすぐったい気持ちになった。
「すごく似合ってる。かわいいよ」
「本当?」
「うん」
「こういう色初めて着るから、ちょっと慣れなくて」
「いいよ、すごく。実はもう一着気になっているのがあるんだ。それも着てみて」
そう言って副社長が渡してきたのはワインレッドのドレスだった。