ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「間宮?」

目の前の彼の顔はぼんやりしているが、声は伊集院さんだ。

猪原先輩じゃない…

「どういうコトだ?間宮」

私は彼の質問に答えられず、相良さんの姿を探す。

相良さんは近くの二人掛けの椅子に一人腰を下ろして、私達の様子を見ていた。

「虎兄か…」

彼も相良さんの姿に気づく。

「伊集院さんこそ、どう言うつもりですか?」

女性は鋭い目で声に怒気を込め、伊集院さんに詰め寄っていく。

「俺と彼女は交際しています。見合いを断る手っ取り早い方法だったので、彼女を呼びました」

「まぁー・・・なんて人…」

二人は激怒して、私達を残して退席した。
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