誠の華−ヒルガオ−
あんなに憎悪に満ちた永倉を今まで目にした事があっただろうか。
「ふふ、こわいこわい。お前達!!やっておしまい!!」
しかしそんな永倉を凛は嘲笑うと数十の仲間を呼び出した。
「裕次郎、あなたも武士の端くれなら自分の身くらいは守れるわね?」
「はい」
「良かった。数馬!私の背中は任せたわよ」
「応。俺の背中はお前に任せる。とちるなよ!!」
二番組組長補佐の桜井 数馬と背中合わせになると、私達は襲いかかって来る忍びと対峙した。
見たことのない武器や戦法に苦戦しながら何とか敵を倒すもののあちこちに切傷ができる。
「お前達!その女を狙いなさい。あの女がいては何かと面倒よ」
永倉と対峙している凛がそう言うと、一斉に忍び達が襲いかかってきた。
いくら腕が立つ雪でもさすがにたくさんの忍びを相手にすることはできない。
覚悟を決めて刀を構え直すと突然私と数馬の横に二つの黒い影が着地した。