誠の華−ヒルガオ−
永倉が帰ってきたのはそれから三日後の深夜。
文机での仕事に埋もれる土方の部屋に突然現れた。
「お前、今まで何やっていたんだ。組長がこれじゃあ下の奴等に示しが付かねえだろうが」
「悪い土方さん。本当はすぐに戻るつもりだったんだが…気になる情報が入ったんだ」
“気になる情報”に土方の眉が一瞬だけ動いた。
目だけで話せ、と訴えると永倉は声を潜めて話した。
「最近出来た京都見廻組や俺達新撰組を潰す計画を長州の奴らは目論んでいる。その為にここのところ頻繁に島原で会合が開かれているんだ」
「で、その計画はどんなものなんだ?」
「……大和行幸だ」