内実コンブリオ
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「できた…っ!!」
約15枚にもおよぶ映像資料が完成したのだ。
達成感のあまりに、気分が高揚する。
残すは台本のみ。
台本はデータを持ち帰り、自宅で作成することにした。
USBメモリを挿入しよう、とパソコンへ向けた瞬間。
「どーんっ!!」
誰かが物凄い勢いで、自分の背中に体当たりした。
物凄い衝撃で、口から大事な何かが飛んでいった気がする程にだった。
そんな学生の様なノリの人物といえば、ここにはただ一人しかいない。
振り返って顔を確認すれば、自分の思った通り、森緒ちゃんだった。
「久しぶり!華の休んだ2日間、いじる人おらんくて寂しかったんやで!!もう平気?」
「うん、平気。ご迷惑おかけしましたー」
この子にもお世話になってしまった。
むしろ、かけっぱなしで申し訳ないくらいだ。
すると、森緒ちゃんはニヤニヤ、と突然顔を落ち着かなくさせた。
「…ど、どうしたん?」
こちらから問うと、森緒ちゃんはふふふ、とやはりにやけながら、小声で言った。