内実コンブリオ
『いい感じやったやーん』
「え」
『角野さんといい感じやったやんかー!』
いつの間にやら、見られていたらしい。
別に隠すことではないのだが、少し動揺してしまった。
しかし、この子にはあった出来事を是非、伝えたくなる。
例え、興味がないと言われたとしても。
改めて彼女の顔を見上げた。
「良かったやん」
それだけは元の声量で、ニヤつきもいつの間にか消え、温かい笑みになっていた。
自分は、いくつもの笑顔に支えられている。
これとは、その場面に出くわさなければ、なかなか気づけないものだ。
本日2人目に、自分も心からの笑顔を向けている、ということにも気づいた。
この一つひとつの瞬間に幸せを感じている。
さあ、今を糧にして、今日もめいいっぱい働こうか。
手に握ったままでいたUSBメモリをパソコンのアダプターへと差し込み、今日昼までの努力の結晶を保存した。