内実コンブリオ
今日の電車は一体何だったのか。
おばけ列車だったのか、そんなくだらないことを考えるも、それすら今ではもう過去の話。
すでに家に無事、到着することができた。
そんな自分はというと、お風呂上がりのホットミルクを腰に手を当て、飲んでいるところだった。
温かく優しいミルクの味がのどを通り、身体に染み渡っていく。
癒しのひと時に身を任せていると、何となくテーブルの上にいた携帯が唸り出した。
「もう…こんな時間に誰?」
今の時刻は、夜の11時過ぎ。
よっぽどの用の家族や友達以外で、非常識な時間帯に電話をしようと思う人物を問う。
気怠くも近くへ寄り、見下ろす様に着信画面を確認した。
すると、その相手に受話器を上げるか、上げまいか、と悩んだ。
それは怪しんで、という意味では決してなく、どうしよう、という嬉しさの混じる困惑からだった。
「も、もしもし…?」
『もしもし、遅い時間にごめん。角野です』