内実コンブリオ
目を伏せ、紙の上の数字をなぞった。

しばらく指で、目で、なぞり続けた。



「…何やってんだろ」



自分が動かなければ、きっと何も起きることは無いのだろう。

じゃあ、今回、再び出会えたことも想い出の一つとして、しまっておこうか。

それでいい。

自分でも納得しているのだから、もう考えるのはやめよう。

そうだ、栗山くんの連絡先なんて、新たな記憶として、とどめてしまおう。

部屋の隅に居るごみ箱に、ふと目をやった。

ごみ箱の中身は、いっぱいになって盛り上がっていた。

…明日、捨ててしまおう。

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