内実コンブリオ

結菜ちゃんのことに関しても、栗山くんは前に進んでいる。

その証拠に今も、彼は生き生きと笑っている。

これでは、まるで自ら好んで、置いてけぼりにされているみたいだ。

そんなことなら、やめてしまいたい。

劣等感に背中を押され、やっぱり複雑な気分になる。

でも、こだわりも過ぎると、何だか馬鹿らしい。

そう思えた。

だから、密かに、決心した。

そして自身に、罪悪感も携えながら、心の中で告げる。

『ーごめんね、昔の自分。裏切るよ』

もうあの時代、あの頃の自分は、何をしたって、ここには居ないのだから。

だから、今の自分はいい頃加減、前を向かなければならないんだ。



「やり直すのも、いいかもね」



そう言った自分は、周りに遅れて、ようやく前方の景色を知った。

何てことはなく、意外と自然に笑えて居る。
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