告白の時間
「オレはズルイから、とり残されるのは嫌なんです…」

「うん、ものすっごくエゴが暴走しちゃったのね花園君は」

「はい、海よりも高く山よりも深く反省しています…」

「それ、ぜんぜん反省してないから花園…」

深谷さんが絶妙なタイミングで、ツッコミを入れる。

「あははははは、花園君面白いね~気に入ったよ」

涙をうかべながら笑った生島さんが、穏やかな表情に変わり…

「でもオレ、そーゆーの嫌いじゃないよ?がんばって」

一瞬、涙が出そうになる。

「好きになってもいいですか?」

「大歓迎!オレも花園君好きだわ」

「正直が一番だよ花園…ようは相手が自分のエゴに対して、どう返してくるかが大事だと思う」

深谷さんが静かに言った。めったに、めったに笑わない深谷さんが笑っている…めっちゃかわいいんですけど。それすっごい、かくし球ですから。生島さんのそれに負けないぐらいの笑顔ですから…!

「ありがとうございます…」

心のそこから二人にお礼をのべた。

「ぢゃ、土こねようか?深谷君もやる?」

「うん…」

「さっちゃ~ん、陶芸やらな~い?」

二階にいるさっちゃんに、生島さんが声をかけた。返事の代わりに、とたとたと階段を降りる音がして、8才ぐらいの小さな女の子が現れた。
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