元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました

久々に基礎練からエチュード、曲まで、みっちりヴァイオリンを弾いた。
キリのいいところで時計を見ると、夜7時。
お腹が空いたので、晩御飯を食べることにする。



ダイニングテーブルでひとり食事をしながら改めて周りを見回し、モデルルームみたいな部屋だなぁ、と思う。
トータルコーディネートされたオシャレで高級な家具やインテリア。
しかもそれらは整然としていて清潔。
定期的にハウスクリーニングに入ってもらってるって言ってた。

生活の質をお金で買うってこういうことなんだろうな。
羨ましいとは思わないけど。
労働の対価としてお給料をもらうとして、ここまでの生活ができるだけのお給料をもらえる仕事は、私の能力ではこなせないから。

将来結婚するなら高収入男子でなくていい。そんな人と価値観や金銭感覚が合うとは思えない。
普通の人がいい。

このカレーみたいなものだ。

オシャレなビーフカレーとかハッシュドビーフとかではなく、豚肉・じゃがいも・たまねぎ・にんじんの普通のカレー。

まあ、御曹司に食べてもらう最初のメニューとしては少し迷ったけれど、最初に気合いを入れ過ぎて自分で今後のハードルを上げることもないだろうと、これに決めた。
今後も、これまでの庶民彼氏に作ってきたような献立と同様にするつもり。
家庭料理は毎日のことだから過度な頑張りは必要ない、とは我が母の持論。
御曹司にも2ヶ月間は我慢してもらおう。
オシャレな料理は、この先セレブな恋人や奥様にいくらでも作ってもらってください。



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