華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「さて、私がわざわざここに来たということは、お前はもう分かっているな?」
私が礼をしたことで少し満足したのだろう、口調が柔らかくなる。
しかし、放った言葉は決して穏やかなものではない。
私は恐る恐る顔を上げた。
その表情はとても冷たい。
まるで虫けらを見るように、蔑むような表情だ。
その表情に私は一瞬で理解した。
「……はい。多分"こと"が決まったのだろう、と」
「"こと"とは?」
「私の、処刑のことです」
それ以外になにがあるというのか。
覚悟していたとはいえ、実際にその宣告が今されるのかと思うと、心臓がバクバクと激しく脈打った。
王子自らこんな所に出向いてその宣告をするということは、余程私の国の犯した罪は重いということなのだろう。
改めて私の父たちを恨んだ。