華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「物分かりのいい奴だ、それは誉めてやろう。……そうだ、お前の処刑の日が決まった。一週間後、朝一番にこの城の広場で、国民の目に晒されながらお前は処刑される。この国に無謀にも争いを仕掛けた罰だ。恥を晒しながら死していくといい」
公開処刑……。
その言葉に、足元が冷えていくような感覚がした。
死ぬこと自体は怖くはない。
しかし、それを人の目に晒された状態で死んでいかなければならない。
どうして私がそんな辱めを受けなければならないのだろう。
本当に、あの父のせいで……。
「……承知、致しました」
心の中ではそう思っていても、王子の言葉に反論など到底できやしなかった。
「話はそれだけだ。今日を含めて一週間、死と恥と両方の恐怖を感じながら過ごすといい。そして悔やめ、お前の愚族のしでかした罪を」
それだけ言うと、アレックス殿下は踵を返す。
カツカツと無機質な靴の音が遠ざかっていく。
そして、辺りは静けさが戻った。