華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
それからどのくらい時間が過ぎたのだろう。
埋める場所が見つかったと、ナディが戻ってくる。
「ありがとうナディ。早く行きましょう。少しでも早く、安らかに休めるようにしてあげたいわ」
私は亡骸の入ったその箱を大事に抱えて、ナディと共に部屋を出た。
血が箱に滲み、ドレスと当たる部分には染みができてしまったが、そんなことはどうでもいい。
今は早く、この子を眠らせてあげたかった。
心から祈ってあげたかった。
それが私にできる唯一の償いだと思ったから。
ナディに案内されながら、階段を下り城の外へと裏の扉から出ようとしたとき、突然後ろから名を呼ばれる。
振り向くとそこには王子が立っていた。
私は抱えていた箱を見えないように、グッと深く抱きしめ隠した。
「どうした?外に用事でもあるのか?」
「ええ、少し」
「――おや、その手に持っているものはなんだ?」
しかし、すぐにそれは見つかってしまう。
王子は靴の音を鳴らしながら、私の近くへとやってくる。
「なにを持っている?」
「こ、これはっ」
「隠す必要はないだろう、見せろ」
必死に渡さんと、箱に力を込めた。
しかし抵抗むなしく、その箱は王子によって無理矢理引きはがされた。
ドレスについた血の染みが露わになる。
そして王子の手にも、箱から染みた血がべとりとついた。