華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~

でもね。
私、もう覚悟決めているのよ。

むしろその日が決まってスッキリ爽快(とまではいかないけど)、ある意味開き直っていて。

死にたくない!殺されたくない!なんて、泣きわめいて乱れるわけがないじゃないの。

仮にも私は国の王女として生まれて、国王がアレなばっかりに、国が傾いてきたときから常にそのことを考えて生きてきた。

もしかしたら……って。

もしかしたら、自国民に暴動で殺されるかもしれない。
あるいは他国に攻め入られて殺されるかもしれない。


結果、形は違えど現実になってしまっただけで。


「いえ。正直に言いますと、しっかりと寝られました」

ハッキリと殿下に話す。


もう隠してもしょうがないと思った。
どうせ、処刑されるのは変わらないし。


今この場で怒りを買って王子の持つ剣で、この身を切られてしまっても、どうせ死ぬことは決まっているのだから、なにも変わらない。

だからここはもう腹を括って正直に話すしかない。
自分を押し隠して、変に気を遣うのはやめようと思った。

結果が変わることはないのだから、遠慮なんていらないでしょう?

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