ひとはだの効能
「ちょっと、大丈夫!? やけどしてない?」
慌てて取り出したハンカチで、香澄さんは俺のTシャツをガシガシと拭う。
「……ごめん、大丈夫」
「何やってんのよ、もう」
「や、そんな話びっくりするでしょ、普通」
「……そっか。ごめん」
動かしていた手を止め、香澄さんは気まずそうに俯いた。目についたのか、紅茶が滲んだ俺のシャツの裾をつかんでくいと引っ張る。
「シミになっちゃうかな、これ」
「んー、たぶんなるけど、落とせるから平気。気にしないで」
俺が言うと、「慣れてるのね」と香澄さんは目を瞬かせた。
「そんなことより、ね?」
「うん……」
椅子に座り直し、続きを話すよう香澄さんを促すと、またポツリポツリと話し始めた。
慌てて取り出したハンカチで、香澄さんは俺のTシャツをガシガシと拭う。
「……ごめん、大丈夫」
「何やってんのよ、もう」
「や、そんな話びっくりするでしょ、普通」
「……そっか。ごめん」
動かしていた手を止め、香澄さんは気まずそうに俯いた。目についたのか、紅茶が滲んだ俺のシャツの裾をつかんでくいと引っ張る。
「シミになっちゃうかな、これ」
「んー、たぶんなるけど、落とせるから平気。気にしないで」
俺が言うと、「慣れてるのね」と香澄さんは目を瞬かせた。
「そんなことより、ね?」
「うん……」
椅子に座り直し、続きを話すよう香澄さんを促すと、またポツリポツリと話し始めた。