ひとはだの効能
「それが、デートらしいんですよ! なんか昨日急に彼女ができたらしくて」

「昨日!? ……それはまた急な話だね」

「でしょう? もうびっくりですよ! デート何着て行こうとかプレゼントどうしようとか朝から大騒ぎで。アルの散歩だって、今日は弟がするはずだったんですよ! まあ私の予定が空いたから良かったけど……」

 そこまで言って、また葉月くんのことを思い出したらしい。莉乃ちゃんは口を噤むと、ふっとため息を漏らした。

「……莉乃ちゃん、葉月くんに告白できた?」

 莉乃ちゃんはワインで唇を湿らせると、首を左右に振った。

「本当は、今日ここでするつもりだったんです。プレゼント渡して、ちゃんと自分の気持ち伝えようって……」

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