ひとはだの効能
「うまくいってよかったね、莉乃ちゃん」

「遊馬さんのおかげです」

 コーヒーをサーブしながら声をかけると、莉乃ちゃんはまた真っ赤になりながら微笑んだ。

 告白し終えてようやく緊張が解けたのか、葉月くんはツリーの下に横たわるアルの背を撫でながらくつろいだ表情を見せている。

「私たちずっと近くに居すぎて、なかなか一歩が踏み出せなかったから」

「ちょっと俺も乱暴だったけどね、葉月くんも結構頑固だから」

 俺が言うと、「そうなんですよ!」と莉乃ちゃんが食いついた。会話が聞こえていたのか、まだアルを撫でながら葉月くんが俺を睨む。それに気づいた莉乃ちゃんと、顔を見合わせて吹き出した。

「そういえばアル、今は大人しいね。葉月くんが来たときやたらと吠えてたから、相性が悪いのかと思ってた」

「え、相性が悪いって葉月とアルがですか?」

 俺の言葉に、莉乃ちゃんがきょとんとした顔で首を傾げた。 

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